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ミャンマーにおける関税(Customs Duty)について

概要

貿易関連業務において大きなインパクトのある関税。以前は不透明な要素もあったミャンマーの関税であるが、国際協力機構(JICA)の支援によりマックス(MACCS)という電子通関システムが稼働し、画期的に手続きが簡素化している。2018年には東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の取引については原則、関税は撤廃される予定だ。

1. ミャンマーの関税の概要
ミャンマーでは、基本的に輸出について関税は課されないが、輸入については一般的にほとんどの貨物に関税が課される。税関の世界では、世の中のあらゆるものにHSコードという番号が振られており、HSコードに応じて各国で関税率が決められる。まずは、輸入する物品が、どのHSコードに該当するかを確認することが必要である。
国際協力機構(JICA)が支援を行ってスタートした電子通関システムマックス(MACCS:Myanmar Automated Cargo Clearance System)の導入や、東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)の発足に伴う関税の撤廃など、ミャンマーにおける税関・関税の環境は変革の過渡期にあるといえよう。

2. 事業者における輸入関税

(1) 輸入にかかる税金について
ミャンマーに貨物を輸入する場合は、関税の他に、源泉所得税(Advance Income Tax)2%および商業税(Commercial Tax)5%、特別物品税(Special Goods Tax)5~120%、セキュリティーフィー(コンテナ1本当たり)2万チャット、MACCS手数料(1件につき)3万チャットなどの諸税がかかる。

それぞれの税金については、港に荷揚げされる場合はヤンゴン市内の税関本部において、空輸の場合は空港において、ティラワ経済特区(SEZ)ではSEZ内の税関において、それぞれ貨物の引き取りの前に手続きを行い、一括して支払うこととなる。ミャンマーに貨物が到着したら、税関に申告書を提出する。輸出入申告は、輸出入者が自ら行うことはできず、通関士を通して行うことが原則となっている(陸路の場合は手順が異なる)。

関税率については、関税率表(Tariff)に規定されており、これに基づいて課税がなされる。この表については税関において冊子の購入や税関のウェブサイト(下記5.各種問い合わせ先など2)参照)で検索が可能である。
関税の課税標準については、基本的にはCIF価格(Cost Insurance and Freight:保険料・運賃込み価格)が基本となるが、請求内容にロイヤリティー部分が含まれていたり、一定の割引があったりする場合など調整が行われることもあるので、後述する事前教示制度を利用することも有用であろう。

(2) MACCSについて
JICAの支援により2016年に電子通関システムMACCSが導入された。これまで紙ベースだった輸出入申告が電子的に行え、デポジット(預託金)についても電子処理され、即座に納税し輸出入の許可が下りるなど、輸出入の手続きや関税の納付手続きなどが画期的に改善されている。

【MACCS自動処理の流れ】
M097-0005-1
出所:JICA資料を基に筆者作成

(3) 事前教示制度について
2016年から、HSコード分類の事前教示制度が発足した。貨物がミャンマーの港に到着する30日前までに申請が必要だが、書面による税関からの回答で輸入貨物のHSコードが事前に分かる(=税率が分かる)ので、輸入を行う上でぜひ活用したい制度である。サンプルや原材料、仕様書、成分の説明などの資料を提出し申請する。
また、関税評価の事前教示制度もスタートしている。輸入前に課税価格決定の基となる資料などの提出をすることにより書面による回答を希望する場合は、税関の評価部門へ申請する。

<事前教示制度を受けたい場合は、下記まで問い合わせを>
Myanmar Custom House(ミャンマー税関本部)グラウンドフロア Public Relation Office(パブリックリレーションオフィス)(予約不要。ストランド・ヤンゴン(ホテル)の西100メートルほど、レンガ造りの建物)
下記5.各種問い合わせ先など2)または4)から申請書をダウンロード可能。

(4) 各種免税について
関税に関し、現物出資による免税や、ミャンマー投資委員会(MIC)の許可やエンドースメントを与えた企業への免税、政府開発援助(ODA)事業関連による免税、その他各種の免税恩典が与えられている。また、協定や租税条約により一定の減免が行われる場合もある。取引を行う前に確認すること。

(5) AEC発足に係るASEAN地域における関税の撤廃について
2015年のAECの発足を受けて、ASEAN地域における貿易においては、原産地がASEAN域内のものについて一部品目を除き原則として関税撤廃が図られる。既に先行している各国に続き、後発でミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナムも2018年に関税が撤廃される予定である。

3. 実際の輸入の現場における動向
現役のミャンマー人通関士への聞き取りを行ったところ、MACCS導入後は、各種手続きが格段に簡素化されたとのこと。以前は引き取りの際に求められていた心付けについても、頻度が下がってきている。
実際に輸入を行っている工場などへの聞き取りでは、原材料などの輸入はスムーズに行われる場合が多いが、機械などの輸入の際は、まだ引き取りに関して心付けを求められたり、時間がかかったり、関税の支払いに関して不透明な点があるように見受けられるとの意見もあった。

4. 個人が入国する場合の関税
関税は商用の輸入時のみではなく、入国時の手荷物や引っ越しなどで個人の荷物を運ぶ際にも課される。税関では個人の手荷物として免税範囲を公表している。

<個人の手荷物として非課税で持ち込める範囲(1人当たり)>
1)  旅行用カメラ1台およびその関連アクセサリー1セット
2)  15本を超えないゴルフセット1セット、テニスまたはバドミントン用品2セット、釣り具1セット
3)  自転車1台
4)  自分用の薬(持ち込み禁止以外の薬に限る)
5)  2リットルまでの酒類
6)  150ミリリットルまでの香水
7)  400本までのたばこ、50本までの葉巻、250グラムまでのパイプ用刻みたばこ
8)  ミャンマー人の場合で、外国へ出発の際に中央銀行の許可を得て持ち出した宝石
9)  旅行用ポータブルオーディオプレーヤー
10)  旅行用ビデオカメラ、HDカメラ、DVカメラ&アクセサリー&バッテリー1セット
11)  ラップトップPC1台およびその関連アクセサリー1セット
12)  500米ドルまでの電気製品
13)  CD big size 6 pcs, small size 12 pcs、MD 6 pcs、Video tape 6 pcs、Cassette Tape 6 pcs、DVD/Tape for(DV cam, HD cam)6 pcs、Portable Data Storage Thumb Drive 2 pcs…ただし、全て音声・映像などを記録する前のものに限る
14)  上記の物以外の別送品で、500米ドルを超えず、かつ個人使用の範囲の数量を超えないと税関が判断したものは免税
 
5. 各種問い合わせ先など
1)  ミャンマー財務省ウェブサイト税関案内
http://www.mof.gov.mm/en/content/customs-department
2)  ミャンマー税関ウェブサイト(工事中の場合あり)
http://www.myanmarcustoms.gov.mm
3)  MACCSヘルプデスク
電話01-379429
4)  MACCSウェブサイト
http://www.maccs.gov.mm
5)  ミャンマー貿易に関する商業省情報サイト
http://www.myanmartradeportal.gov.mm/index.php?r=site/display&id=792
 

6. 参照
この記事は、2017年7月現在における税関・関税の仕組みについてJICAの専門家からの聞き取り内容をベースにしてJapan Outsourcing Service Co.,Ltdがまとめ、作成したものである。実際の輸入の現場における問題事例については、輸入を行っている事業者への聞き取りを基に作成した。