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ミャンマーにおける会計・税務の基本的な流れと留意点

概要

ミャンマーでは原則的に申告納税方式が採用されており、法人税、商業税、個人所得税の事業年度は、全て4月~翌年3月の期間と定められている。本稿では、会計年度やタックスアセスメントの流れ、申告・納付において留意すべきポイント、今後の税務動向などについて解説する。

1. 各種申告とタックスクリアランス(タックスアセスメント)について

ミャンマーでは法人税などについて、原則的に申告納税方式が採用されている。しかし実際の税額の確定については、その後行われるタックスアセスメント(税務署との折衝。簡易的な税務調査の後、税額が確定する)を経て、実質的な賦課決定が行われ、納税が完了する。
 
(1)会計年度の流れ
ミャンマーにおいては、法人税、商業税、個人所得税の事業年度は、全て4月~翌年3月の期間と定められている。各納税義務者は、原則的には、毎月ないし3カ月に一度、予納を行い、四半期ごとに四半期申告書を提出する。
特に気を付けなければならないのが3月末期限の予納である。決算が締まっていないうちに、仮決算の予測に基づき納税額相当を申告・納付する。その後、6月末日を期限として本申告を行うが、その際に追加の納付がある場合は、追加納付分について10%の延滞税がかかるので注意が必要である。逆に3月までの予納が多かった場合は運用上、還付は行われず、翌期の納税額に充当される。
 
(2)タックスアセスメントの流れおよび実際の現場では
タックスアセスメントは、基本的には法人税などを担当する税務署で行われる。税務申告時に提出された決算報告書などを基に、税務担当官は売り上げや経費の内容の詳細な説明を納税義務者に求める。納税者側は、それぞれ証拠となる資料のコピーを準備して、何度か税務署に出向く必要がある。膨大なコピーの提出を求められる場合もあり、揚げ句の果てに、税務署での書類の管理体制が不十分なため、既に提出した書類の紛失という問題が起こるといった事例もままある。
 
場合によっては、税務担当官自らが当該企業の現場に出向くこともある。また、各タウンシップの税務署に印紙税や源泉所得税などの納付が正しくなされているかなどについての照会や、銀行での名寄せ調査、取引先との反面調査なども行われる。
これまでは、タックスアセスメントの過程で納税者が損金に算入した経費の正当性が認められず、売り上げに応じて外形標準的な課税が行われることも多く見られた。また、日常の折衝(納付書の発行や申請の受け付けなど)やタックスアセスメントの過程において、税務担当官から付け届けを要求されることも多く、公務員の倫理意識の面は、まだまだ課題が残るといえる。
タックスアセスメントが終了すると、税務署からフォーム8(法人税)、フォーム17(商業税)といった証明書類が発行される。ここで、追加納付があれば、10%の延滞税と共に納付することとなる。還付の場合は、前記の通り翌期の税額に充当される。
 
(3)税務否認例など留意すべきポイント
売り上げや仕入れの内容については特に説明を求められ、輸出入の資料や契約書、請求書などの詳細な証憑の提出が必要である。経費については、過大な消耗品費や広告費、交際費などについても言及され否認される事例が多い。福利厚生関連費については、給与の支払い状況、源泉所得税の申告・納付状況、取締役などの住宅に関する状況についての聞き取りが行われ、個人負担すべき費用を企業が負担しているなど、実質的な個人への経済的利益について給与課税の措置ではなく、そもそもの損金性を否認される例もある。旅費交通費への指摘も多く、本社からの社員の旅費を子会社が持つ場合や、ミャンマー子会社の従業員を日本に研修のために送り出すときの旅費なども、覚書や契約書できっちりと負担について定めておく必要があろう。

2. 今後の税務動向

2016年あたりから少しずつではあるが、数年来の外資系企業の真摯(しんし)な申告を受け止め、一方的な賦課課税ではなく、証拠を伴った納税者の主張について、聞く耳を持ってくれる税務担当官も出てきている。新政権発足後、政府は徴税の強化を目標に掲げ、当局も税務担当官を増員し、税務執行の教育に力を注いでいる最中である。しかし、基本通達などはすぐに公開されることもなく、制度と運用が乖離(かいり)している部分はいまだ多い。現在、当局は外資系企業の徴税強化を図っており、源泉所得税や印紙税その他の税務手続きの徹底を求めている。
地方においては、まだまだ当局担当者、公認会計士(CPA)、納税者共に知識不足の面も散見される。今後、官民双方の税制度への意識改革および知識向上は必須であろう。他国で同じような苦労を味わってきた外資系企業が、毅然(きぜん)とした態度で当局と対峙(たいじ)し、またアイデアを出し、けん引し、公平で正しい税務行政の確立に寄与することが必要ではないだろうか。