災害で被害を受けてしまったら所得税の軽減を受けましょう!「雑損控除」と「災害減免法」

梅雨が終わり、暑い夏がやってきました。夏の終わりには台風がやってくることが常ですが、昨今は異常気象の影響で大型台風が増えてきたように感じます。
私共事務所のある大田区でも、2019年の10月の台風19号では多摩川が氾濫し、となりの世田谷区と合わせ、40戸もの住宅が浸水しました。
被害を受けられた皆様に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

このような事態が生じた際、所得税で優遇を受ける方法が二つあります。
所得を減らすことができる(所得控除)「雑損控除」直接税額を減らすことができる(税額控除)「災害減免法」です。

細かい要件や計算方法は後述の国税庁ホームページをご参照いただき、
ざっくり「こんな制度があるんだな」と頭の片隅に置いて頂けるように
かいつまんでご説明いたします。

まず、所得控除の「雑損控除」です。

対象になる損害の原因は、災害・盗難・横領(詐欺や恐喝などの被害は対象外)です。
対象となる資産の範囲は、生活に通常必要な資産(贅沢品は対象外)です。

計算方法
損失を受けた金額と、災害等によりやむを得ず支出した金額(災害関連支出)の合計額から保険などで補填された金額を差し引き、損失額を算出します。
この損失額からその年の所得の10%を差し引いた金額と、災害等によりやむを得ず支出した金額(災害関連支出)から5万円を差し引いた金額とを比較し、
大きい方の金額を所得から控除することができます。

具体例
計算A
・家が災害により半壊、家の損害金額は600万円。
・保険で500万円を受け取りました。
・家の半壊した部分の撤去に50万円かかりました。
・その年の所得は550万円
600万円(損害金額)+50万円(災害関連支出)-500万円(保険補填金額)=150万円←こちらが損失額です。
150万円(損失額)-550万円(所得)×10%=95万円
計算B
・50万円(災害関連支出)-5万円=45万円

計算Aと計算Bを比較し、大きい方の金額で所得控除を受けられます。
ここでは95万円が所得控除となります。

尚、控除する金額が所得を上回るほど大きくなった場合は、翌年以降3年間、控除しきれなかった金額を繰り越すことができます。

次に、税額控除の「災害減免法」です。

対象になる損害の原因は、災害です。
災害により住宅や家財に甚大な損害を受け、その損害金額(保険などで補填された金額を差し引く)が住宅や家財の価額の2分の1以上に及ぶ場合に、
災害減免法の対象となります。

計算方法
災害減免法の対象となった場合、
その年の所得金額に応じて①全額免除、②2分の1の軽減、③4分の1の軽減、と所得税が軽減されます。
ただしその年の所得が1000万円を超えた場合、控除を受けることが出来なくなります。

具体例
・家が災害により半壊、家の損害金額は700万円。
・家の価額は1000万円。
・保険で100万円を受け取りました。
・その年の所得は550万円
700万円(損害金額)-100万円(保険補填金額)=600万円←こちらが損失額です。
災害減免法の適用を受けられるか判定
損失額600万円
家の価額の2分の1=1000万円÷2=500万円
600万円>500万円 災害減免法の対象となります。

計算
所得550万円の所得税の軽減額は2分の1
その年の所得税の2分の1が減免となります。

この「雑損控除」と「災害減免法」は同時に適用することはできません。
どちらが有利な方法を選んで適用となります。

詳しい条件、計算方法は以下の国税庁のホームページをご参照ください。
災害からの復興に利用できる制度ですので、万が一の時には是非、
税理士法人 Right Hand Associatesまでお気軽にお問い合わせください。

国税庁ホームページ
災害や盗難などで資産に損害をうけたとき(雑損控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

災害減免法による所得税の軽減免除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1902.htm

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