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前払賃借料にかかる商業税の取り扱い

概要

ミャンマー計画財務省は、2018年10月、11月と立て続けに、商業税の相殺に関する取扱いについての通達(通達番号03/2018および通達番号04/2018)を発表した。今回は、前回触れた通達03の振り返りと共に両通達のポイントと相違点について、考察する。

ミャンマー計画財務省は、2018年10月、11月と立て続けに、商業税の相殺に関する取扱いについての通達(通達番号03/2018(以下「通達03」)および通達番号04/2018(以下「通達04」))を発表した。商業税の運用については、本法の規定の解釈の幅が広く、細かな運用の指針が不足しているため、現場において運用の間違いや当局との見解の相違が散見される。通達についても商業税に限らず、何度も訂正が行われたり、未だ不安定な面がある。今回は、前回(「ミャンマー:掛取引に関する商業税の相殺についての通達【最新版意訳】」(2018年11月29日付掲載))触れた通達03の振り返りと共に通達03と通達04のポイントと相違点について、考察する。

【通達03について】
1.通達の概要と対象者
10月29日付にて発表され、国内において商品の掛売買やサービスの掛取引を行う者に向けて、商業税を相殺する方法につき、より周知するため、行われた通達である。
通達の対象者は、下記の通り。
(a)国内で商品を製造する者
(b)海外から商品を輸入する者
(c)商品の売買を行う者
(d)サービスを提供する者

2.通達の対象者に対する取扱い
商業税法第42条の通り、
(a)商品を製造する者は、製造する商品を販売する際に係る商業税を、「商品を製造するため海外から自ら購入した商品に関し国内到着時までに支払った商業税、他の製造者、販売者、海外から輸入する者から買取した商品につき支払った商業税、商品を製造するために利用したサービスにつき支払った商業税」と相殺できる。
(b)海外から商品を輸入して販売を行う又はサービスを提供する者は、自らが販売する商品又は提供するサービスに係る商業税を「海外から自ら購入する商品に関し国内到着時までに支払った商業税、国内において買取した商品について支払った商業税、国内で利用したサービスについて支払った商業税」と相殺できる。
(c)商品を海外から輸入する場合、輸入者は、商業税様式(32)(Ka Tha Kha32)を2部作成して1部を所轄税務署へ提出、1部を自社で保管する必要がある。
(d)国内で売買する場合、販売する者は、商業税様式(31)(Ka Tha Kha31)を3部作成して1部を顧客に渡し、1部を所轄税務署へ提出、1部を自社で保管する必要がある。
(e)サービス提供業者は、サービス代金と一緒に受領した商業税に関し、商業税様式(31)(Ka Tha Kha31)を3部作成して1部を顧客に渡し、1部を所轄税務署へ提出、1部を自社で保管する必要がある。
(f)購入者・サービス利用者は、税金相殺手続きが完了したことを証明するため、商業税様式(33)(Ka Tha Kha33)と共に、販売者、サービス提供業者から受領した商業税様式(31)(Ka Tha Kha31)を所轄税務署に一緒に提出し、相殺手続きの報告を行うこと。
(g)(企業オーナーの)固定資産取得のために支払った商業税は相殺できない。
(h)損害を受けた商品、販売しない商品に係る税金は相殺できない。
(i)商業税相殺は、ミャンマー税法に相殺不可と定められている商品には適用しない。
(j)支払うべき税金から支払った商業税を相殺する場合、支払った商業税が過大となっている場合は、相殺後の残額を企業の損金として所得税計算上、控除できる。

税法原文をそのまま翻訳

3.ポイント
・商品代金又はサービス代金について掛取引により仕入先等に支払う商業税は、実際にその代金を支払った後でないと、売上にかかる商業税との相殺ができない。
・破損した商品や、販売していない商品の仕入れ等にかかる商業税は、相殺できない。
・固定資産にかかる商業税は相殺の対象とならない。
・過大に支払った商業税については、還付は行わず、所得税法上の損金処理となる。

【通達04について】
1.通達の概要と対象者
11月2日付にて発表され、賃借人が前払賃借料と共に支払った商業税を、支払うべき商業税と相殺する方法につき、より周知するため、行われた通達である。
通達の対象者は、通達03と同様に下記の通り。
(a)国内で商品を製造する者
(b)海外から商品を輸入する者
(c)商品の売買を行う者
(d)サービスを提供する者

2.通達の対象者に対する取扱い
上記通達03と同様の取り扱いについても記載されているが、それに下記の「守るべきさだめ」が追加されている。
「守るべきさだめ」
賃貸人が所有する固定資産を賃貸するという意味は、賃借人のためのサービスを意味することとなる。賃借人が賃借料と一緒に払った商業税は、下記の通りに相殺できる。
(A)前払賃借料を支払った日から相殺することができる。つまり、商業税の相殺は、現金で支払いをする日以降に発生する。その日以前の商取引にかかる売上又はサービス売上にかかる商業税からは相殺はできない。相殺をするときは、支払いをした月にかかる税金から相殺する、もしくは、賃貸期間を限度に税金から相殺することができる。
(B)賃借して使用する固定資産および所有物について払った賃貸料にかかる商業税は、自己所有の事業用固定資産および所有物ではないので、相殺することができる。
(C)相殺権利をもらうため、賃貸人は、賃借人がものを借りるときに、賃貸前払金と共に払っていた商業税のため、Ka Tha Kha(カーターカー)31を賃借人へも、賃借者への所轄税務署にも送る必要がある。

3.ポイント
本通達の主なポイントは、下記の通り。
・自己が所有する事業用固定資産にかかる商業税は相殺の対象とならないが、賃借をしている固定資産の賃借料にかかる商業税は対象となる。
・過大に支払った商業税について繰越を行わない場合は、タックスアセスメントが行われた年の所得税法上の損金処理となる。

【通達03と通達04の違いについて】
どちらも支払った商業税を預かった商業税から控除する場合についての通達であるが、掛け取引にかかる取り扱いに関する通達03の中で、支払った商業税が預かった商業税を超える場合には、還付や繰越を行わず、その事業年度の損金計上としている。一方、通達04においては、賃借にかかる商業税については、その賃借期間にわたって、引ききれなかった商業税を繰り越すことができると言及しているのが大きな違いである。

固定資産については、自己が取得した資産にかかる商業税は控除できないが、賃借した資産に関するサービス料金にかかる商業税は控除できるというところもポイントであろう。

【まとめ】
資産を賃借した場合に、控除しきれない商業税がある場合には、賃借にかかる商業税を分かりやすく明示するなどの処置が必要であろう。これらの通達以外にも輸入に関する商業税など、還付や繰越が受けられる商業税の取り扱いもあるので、専門家に相談して対策を講ずることをおすすめする。