IT導入補助金の補助対象とは|どの費用について支援を受けられる?
業務効率改善、DX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けてITツールを導入した場合、要件を満たせば「IT導入補助金」を受給することができます。
補助の対象となる経費はソフトの購入にかかる経費やクラウドサービス利用にかかる経費、その他導入にあたってのコンサル費用なども含まれています。
詳しくは申請枠によって異なりますので、以下で4つの枠と2つの類型で分けてそれぞれが補助対象としているものを紹介していきます。
通常枠の補助対象
「通常枠」は、事業をデジタル化して業務効率の向上や売上アップを目指す事業者をサポートするための枠組みです。
特定の業務プロセスを持つソフト、その他要件を満たせば汎用プロセスを持つツールやオプション、導入コンサル、保守サポートなどが補助対象となります。
補助対象 |
詳細 |
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ソフトウェアの購入費やクラウドの利用料※ | 業務プロセス | ・顧客対応や販売支援
・決済、資金回収の管理 ・物流、在庫の管理 ・会計管理 ・人事や給与、労務の管理 ・その他業務固有のプロセス |
汎用プロセス | 業務が限定されない汎用的なソフト
※これ単体での導入だと補助対象にはならない。 |
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オプション | データ連携やセキュリティ機能などの拡張にかかる費用 | |
役務 | 導入コンサルや研修、マニュアル作成、保守サポートなどにかかる費用 |
※クラウド型サービスを利用する場合は、最大2年分が補助対象となる。
《 導入例 》
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- クラウド型管理システムを導入:ホテル内に限らず空室状況等をリアルタイムで把握できるようにして、業務効率を向上するとともにランニングコストの削減を実現する。
- ドローンを使った地理情報を解析するシステムを導入:森林内を実際に歩く手間、調査結果を集計する手間を削減し、業務効率や調査コストの低減を実現する。
- 販売管理・経理業務をDX化するITツールを導入:従来の自社システムより処理スピードを向上させ業務効率を改善する。またデータ連携も取れることで経営状況の把握にもつなげる。
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なお、これら補助対象となる経費のうち最大450万円が補助されます(補助率は1/2以内)。
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- 4プロセス以上:150万円~450万円
- 1プロセス以上:5万円~150万円未満
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インボイス枠の補助対象
「インボイス枠」には2つの類型があります。「インボイス対応類型」と「電子取引類型」で対象としている経費の内容が異なりますのでそれぞれ分けて紹介します。
インボイス対応類型について
「インボイス対応類型」ではインボイス制度に適応した会計ソフトや決済ソフト、PCの購入費用などが補助対象となっています。
補助対象 | 詳細 | |
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ソフトウェア等 | ソフトウェア | インボイス制度に対応するソフトであって次の機能を持つもの
・会計 ・受発注 ・決済 |
ハードウェア | ・PC/タブレット
・プリンター/スキャナ/複合機 ・POSレジ/モバイルPOSレジ/券売機 ※これ単体での導入だと補助対象にはならない。当該ハードがソフトの使用のために必要であることが要件。 |
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オプション | データ連携やセキュリティ機能などの拡張にかかる費用 | |
役務 | 導入コンサルや研修、マニュアル作成、保守サポートなどにかかる費用 |
なお、補助率や補助額は、事業者の区分やソフトとハードの別。ソフトの持つ機能性によっても異なります。最大だと350万円の補助を受けられます。
電子取引類型について
「インボイス枠」のもう1つの類型が「電子取引類型」です。
こちらは発注者側にある事業者がインボイス制度に適応した受発注システムを導入する場合であって、受注者に対して無償でアカウントを与えるケースに支援が受けられるという内容の類型です。
インボイス対応類型では社内での体制構築に重きが置かれていますが、こちらの類型では取引先を巻き込んでインボイスに対応するためのツールを導入したときが対象となっています。
補助対象 | 詳細 |
---|---|
受発注システム | インボイス制度へ対応していること |
受注側の取引先事業者へのアカウント発行(無償)を行うこと | |
クラウド型ソフトウェアであること |
※最大2年分が補助対象。
セキュリティ対策推進枠の補助対象
「セキュリティ対策推進枠」は、サイバー攻撃のリスクを低減するために導入するツールやサービス利用を補助するための枠組みです。
補助対象となるツールやサービスは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のホームページ内に掲載されているサービス等です。
ネットワークを監視するタイプ、社内で使用する端末を監視するタイプ、その両方の性質を備えるタイプなど、さまざまなセキュリティ機能を備えるための費用について補助を受けられます。
なお、補助率は1/2以内で、補助額は5万円~100万円です。
複数社連携IT導入枠の補助対象
「複数社連携IT導入枠」は、つながりのある複数の取引先間でITツールを導入して全体としての生産性向上を目指す取り組みを支援するための枠組みです。
業務上のつながりがあるサプライチェーン、特定のエリアで商圏を持つ商店街に属する事業者など、さまざまな事業者や取組内容が対象とされています。
補助対象 | 詳細 | |
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基盤の導入 | ソフトウェア等 | 会計や受発注、決済の機能を持つソフトウェアやそのオプション、役務など |
ハードウェア | PCやタブレット、レジ、券売機など
※対象となるソフトを使用するために必要なハードウェアであること |
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消費動向等の分析 | ・複数の業種や事業者を連携するためのソフトや役務などにかかる経費
・地域での人流分析や商取引等のデジタル化に役立つソフトや役務などにかかる経費 |
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その他 | 専門家への報酬、参加する事業者をとりまとめるための事務費など |
《 導入例 》
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- 地域に人流を計測できるセンサーを導入:地域内の各店舗での需要を予測し、業務効率の改善を行う。
- 地域にAIカメラを導入:消費者の属性や回遊データを分析し、地域内の各店舗に設置したPOSシステムから購買データを分析。店舗の販売状況を把握して商品構成の見直しなどを行う。
- 地域に電子クーポン等を発行するシステムを導入:地域経済の活性化、クーポンなどの利用状況から消費者の購買データを分析し、効果的な情報発信を行う。
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各種枠組みの補助対象、補助額や申請要件については最新情報をチェックすることが大切です。
補助金に詳しい専門家を頼ると手続も円滑に進められますので、IT導入補助金の申請サポートに対応している税理士などを探すことから始めると効率的でしょう。
投稿日:2024/5/16
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