著作権で得た収入にかかる税金の種類~所得税・消費税・相続税について~
著作権から得た印税や使用料には、所得税をはじめいくつかの種類の税金がかかります。「著作権は財産」であるという視点を持っておくと、課税の全体像がつかみやすくなるでしょう。ここでどういった税金がどのように発生するのか、整理していきます。
著作権と税金の関係
著作権とは「小説・楽曲・マンガ・写真などの創作物を生み出した人が持つ権利」です。他人がその著作物を利用する際には著作権者の許諾が必要となり、その対価として支払われるのが「ライセンス料(著作権使用料)」です。
ライセンス料は「ロイヤリティ」や「印税」などと呼ばれることもあります。「印税」という言葉には「税」の文字が入っていますが、これ自体税金ではありません。あくまで著作権者が受け取る収入の名称です。
ただし、受け取ったライセンス料は所得となりますので、当然ながら税金の対象となります。
そして著作権にかかわる税金としては、大きく分けて①所得税(収入に対してかかる税)、②消費税(取引にかかる税)、③相続税・贈与税(著作権を受け継ぐときにかかる税)の3種類があります。
著作権収入にかかる所得税
受け取ったライセンス料は、所得として所得税の対象になります。
支払いのときは源泉徴収税額が差し引かれる
ライセンス料を個人が受け取る場合、出版社やレコード会社などの支払者が、支払い時に一定の所得税をあらかじめ差し引いて国に納付します。これを「源泉徴収」といいます。
つまり、著作権者の手元に届くお金はすでに税金が引かれた後の金額となっていることは理解しておきましょう。
たとえばライセンス料が10万円でその10.21%が源泉徴収されると、実際に受け取るのは89,790円です。
確定申告で最終的な税額を精算する
源泉徴収はあくまで「仮払い」の税金です。1年間の実際の所得をもとに計算した税額と源泉徴収された金額の差額を、確定申告によって精算しなければなりません。
なお、所得税は所得が多いほど税率が上がる仕組みを採用しており5〜45%で変動します。そのため源泉徴収された割合と一致しないことがほとんどで、確定申告によって「払いすぎた税金を還付してもらう」または「不足分を追加で納める」という精算を行うことになるでしょう。
所得の種類の区分も重要
著作権収入の所得区分は、その活動の実態によって変わります。作家・アーティストなどとして本格的に活動している場合は一般に「事業所得」となりますが、趣味のような形でごく小規模に執筆や楽曲提供を行っている場合は「雑所得」で処理することもあります。
事業所得と雑所得では、経費の扱いや損失の繰越など税制上の取り扱いが一部異なります。どちらに該当するかは収入規模や活動の継続性などをもとに、それが「事業」と呼べるかどうかで判断されますので、申告方法に悩むときは税理士に確認することをおすすめします。
経費として差し引けるもの
事業所得または雑所得として申告する場合、著作活動にかかった費用は必要経費として収入から差し引くことができます。経費として認められるものの例は次のとおりです。
- 制作に使うパソコンや周辺機器の購入費
- 資料として購入した書籍や雑誌代
- 取材や打ち合わせのための交通費
- 作業のために使った部屋の家賃
- ソフトウェアや音楽制作ツールの費用 など
なお、業務と私生活を兼用しているものは、使用割合に応じた按分が必要です。領収書や記録はしっかり残しておきましょう。
ライセンス料への消費税の課税
ライセンス料は、著作権の使用許諾(著作物を使わせること)に対する対価であり、事業者が事業として行う取引であれば消費税法上の「課税取引」に該当します。
ただし、消費税の課税事業者となるのは、2年前の課税売上高が1,000万円を超える場合です。著作権収入が少ない段階から常に消費税の申告・納税義務が生じるわけではありません。
著作権を相続・贈与するときの税金
著作権は「財産」として贈与の対象になります。また、著作権の保護期間は著作者の死後70年とされていますし、作者が亡くなった後も著作権が残っていれば、相続財産として相続の対象にもなります。
このシーンでは、それぞれ贈与税あるいは相続税の課税対象となることにご注意ください。
| 著作権に対する贈与税 | ・著作権の財産的価値を調べ、課税上の評価額が基礎控除(年110万円)を超えると基本的に贈与税の負担が発生する
・贈与税率は10〜55% |
|---|---|
| 著作権に対する相続税 | ・著作権の相続税評価額を計算し、各相続人や受遺者が取得した財産の合計額が基礎控除額(最低でも3,000万円)を超えると基本的に相続税の負担が発生する
・相続税率は10〜55% |
いずれも評価額は財産評価基本通達に基づいて算出します。正確な評価、計算を行うのは専門家でなければ難しいため、税理士にご依頼いただいた方が良いでしょう。
また、贈与や相続によって著作権を引き継いだ後、その著作権から継続してライセンス料が入ってくるケースもあります。その収入は受贈者や相続人の所得として今後所得税の対象になることにもご注意ください。
投稿日:2026/5/27
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