令和6年度税制改正大綱 ~どうなる!?4万円減税~
先日、令和6年度の税制改正大綱が公表されました。
今回の税制改正大綱では、所得税・住民税の定額減税、子育て支援に関する政策税制、扶養控除などの見直し、賃上げ税制の拡充、等が具体的内容として盛り込まれています。
そこで今回は、令和6年度の税制改正大綱の中から、とりわけ皆様の関心が高いと思われる、「所得税・住民税の定額減税」について、その要旨をお伝えしようと思います。
■そもそも税制改正大綱とは……
翌年度以降の増税や減税などの新しい税制措置の内容や検討事項をまとめた文書の事で、例年、秋から自民、公明両党それぞれの税制調査会が議論を重ね、与党として12月にまとめます。
そして、政府はこの大綱をもとに税制改正法案をつくり、翌年1月召集の通常国会に提出します。
■所得税3万円+住民税1万円、合計4万円減税
さて、本題の「所得税・住民税の定額減税」について、説明をさせて頂きます。
その内容は、2024年6月に年収2,000万円以下の方を対象とした、4万円(所得税3万円+住民税1万円=合計4万円)の定額減税を1回限りで実施する、というものです。
昨今の物価高に苦しむ世帯を支援する事がこの減税の目的です。
会社員の方の場合、2024年6月に支給される給与やボーナスから、天引きされる税額が減り、結果として手取りが増えることになります。
また、納税額が4万円未満の方は、この減税のメリットを受けられない為、現金を給付することになります。
以下に、年収を4段階に分け、減税と給付が、どのように受けられるのかをまとめました。
1)年収~255万円程度(所得税、住民税が非課税)
●現金7万円、物価高対策として決定済みの3万円の給付金と合わせ、10万円を給付
●子育て世帯は、子供一人あたり5万円を追加で給付
2)年収255万円~270万円程度(所得税は非課税、住民税は納税)
●現金10万円を給付
●子育て世帯は、子供一人あたり5万円を追加で給付
3)年収270万円~310万円程度(所得税と住民税の納税額が4万円未満)
●1人あたり4万円の定額減税。
※納税額が4万円未満だと、減税の恩恵を十分に受けられない。その為、減税額が4万円未満の場合、差額を1万円単位の現金給付で賄う。
例)減税額が15,000円の場合
→40,000円との差額、25,000円を切り上げて、3万円を給付する。
4)上記の1)~3)以外(所得税と住民税の納税額が4万円以上。※年収2,000万円超は対象外)
●1人あたり4万円の定額減税
●定額減税の計算方法
例1)夫婦と子ども2人の場合(配偶者が専業主婦)
4万円×4名=16万円
→世帯主は合計16万円の減税を受けることが出来る。
例2)夫婦と子ども2人の場合(夫婦共働き、配偶者が扶養を外れている)
夫4万円×3名 + 妻4万円×1名=16万円
→世帯主は合計12万円の減税を受けることが出来る。また、配偶者自身は定額減税を受けることが出来る。
→結果として、1)、2)共に、1世帯で計16万円の減税になる。
【※注意事項】
例2)のケースで、世帯主の年収が2,000万円を超えている場合、一般的に、所得の高い方にお子さんを扶養に入れている為、
3名分(12万円)の減税が受けることができません。
投稿日:2023/12/26
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