令和8年税制改正大綱発表~またもインボイス制度に改正あり?!~

2025年12月26日、令和8年度 税制改正の大綱が閣議決定されました。

 

社会の変化に対応して、税制は毎年アップデートされています。
法案が与党から提出され、行政の最高意思決定として閣議決定されます(例年、この辺までが年内です)。
このあと年明けから立法機関である国会にて法案が審議され、毎年3月末までに新年度(4月以降)の税金に関する法律が決まります。

 

これから法案になっていく前段階の文書が「税制改正の大綱」(税制改正大綱)です。
国会内で与党が弱いと最終的にこの文書通りの法律にならないこともありますが、今の最新情報としてこの大綱(=方針)の内容を解説します。

 

税制改正は多岐にわたりますが、今回は特にインボイス制度関連の改正に焦点を絞ります。

 

1. インボイス関連の改正の全体像
今回の改正の背景には、令和5年10月に導入されたインボイス制度に伴う「激変緩和」措置の一部が令和8年あたりで切れるということがありました。
措置が終了すると多方面で影響が大きいためもう少し続ける方向性です。
改正は大きく次の2点です。
(1)2割特例が終わった後の「3割特例」
(2)免税事業者等からの仕入れに関する控除(現行のいわゆる80%控除)の延長

 

2. 2割特例→3割特例
令和8年に「2割特例」の終了が予定されていました。
2割特例は、インボイス登録により、本来は納める義務がなかった消費税を納税することになった事業者向けの制度です。売上に係る消費税のうち、2割だけを納税すればよい仕組みです。
例えば、売上が税込110万円の場合は消費税10万円の2割、つまり2万円だけの納税で済みます。
令和9年以降は対象を個人事業者に絞った上で、「3割特例」として継続します。
(前述の売上税込110万円の場合は納税額が3万円になります)
利用できるのは、令和9年分・令和10年分の申告(2年分)に限られます。
この2年間で簡易課税制度の適用等を検討することになります。

 

3. 80%控除縮小期間の延長
2割特例・3割特例があってもインボイス登録しない個人事業主・会社(事業者)も存在します。
インボイス登録をしていない事業者に支払う外注費等に消費税が含まれていても、その分を売上に係る消費税から差し引けなくなる点が、インボイス制度のポイントです。
このため、インボイス未登録の売り手への発注が多い買い手側の消費税負担が急増しないよう配慮した制度が、いわゆる「80%控除」です。
現在、令和8年9月30日までの取引であれば、インボイス登録していない事業者への外注費等でも、消費税額の80%は売上げの消費税から引けます。
80%控除ができるのは令和8年9月30日までで、令和5年時点では令和8年10月1日から令和11年9月30日までの期間は50%しか引けなくなる(令和11年10月以降0%・控除不可)予定でした。
今回の大綱では、以下のスケジュールに延長したうえで、引下げのペース・幅を緩和します。
・令和8年9月30日まで:80%(現行法)
・令和8年10月1日から:70%
・令和10年10月1日から:50%
・令和12年10月1日から令和13年9月30日まで:30%
(令和13年10月1日の後は控除不可)

 

インボイス登録していない事業者との取引に伴う負担感は、一定程度軽減されました。
ただし、控除割合が下がるほど発注者側の実質コストが上がる点は変わりません。
価格転嫁・条件見直し等に関しては、個別に検討が必要です。

 

4. まとめ
ここまでの解説はあくまで今の与党・内閣の方針です。
今後、国会で法案が審議される中で内容が変わる可能性があります。
例年ほとんど変更はありませんが、2025年の年収の壁に関する議論が一つの参考例です。
こういった改正を受けて、「当社として/自分として何をすべきか」「経理実務にどう影響するか」など、気になる点があれば、お気軽にご相談ください。

 

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