マイナンバーで年末調整が変わる??

そろそろ、皆様のお手元には年末調整書類が届いていることだと思います。
前回のマイナンバー制度に続きまして、今回は制度導入にあたって年末調整に加わる変更や注意点についてお話ししたいと思います。

 

≪ 新たにマイナンバーが必要になる書類とは? ≫
◆ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
◆ 配偶者特別控除申告書
◆ 保険料控除申告書
◆ 住宅借入金等特別控除申告書

 

年末調整には、上記4つの書類が必要です。

 

以下では、それぞれマイナンバー制度導入にあたって変更や注意すべき点があるのかについてご説明します。

 

◆給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
まずは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」。
配偶者控除や扶養控除、障害者控除などの控除を受けるための書類で、氏名や続柄、その年の間の所得の見積額などを記入します。
マイナンバー制度が導入されるとこの書類にはマイナンバーの記入欄が設けられ、自分のマイナンバー以外にも扶養親族のマイナンバーの記載が必要です。

 

平成28年分給与所得者の扶養控除等申告書の記載例

 

 

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/kisairei_h28.pdf

 

【注】税理士法人Right Hand Associatesでは、マイナンバーの記載はせずに別の様式にご記入をして頂く管理方法で行います。

 

◆配偶者特別控除申告書
配偶者特別控除を受けるため必要な書類。
配偶者の氏名をはじめ、給与所得や事業所得など所得の内訳を記入し、自分で配偶者特別控除額までを記入する書類です。

 

マイナンバー制度が導入されると、この書類にもマイナンバーの記載が必要になります。

 

【注】税理士法人Right Hand Associatesでは、マイナンバーの記載はせずに別の様式にご記入をして頂く管理方法で行います。

 

◆保険料控除申告書
保険料控除申告書は先ほどの配偶者特別控除申告書と一緒になっており、「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の右側が保険料控除申告書です。
同じくマイナンバー制度の導入でマイナンバーの記載が必要になります。

 

平成27年分給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書の記載例

 

 

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/kisairei_h27_05.pdf

 

【注】税理士法人Right Hand Associatesでは、マイナンバーの記載はせずに別の様式にご記入をして頂く管理方法で行います。

 

◆住宅借入金等特別控除申告書
年末調整の書類で唯一マイナンバーの記載が要らない書類が「住宅借入金等特別控除申告書」です。
住宅借入金等特別控除を受けるために必要な書類となります。
マイナンバー制度導入後も年末調整に必要な書類には含まれますが、実務上は事業者も従業員もこれまでと同じ取り扱いで問題ありません。

 

≪ マイナンバー導入後の年末調整での4つの注意点 ≫
以下ではマイナンバー制度導入後の年末調整にあたって注意しておきたい4つのポイントを、マイナンバー制度の基本的な考え方にも触れながらご説明します。

 

1.本人確認の方法
マイナンバーを従業員から取得する際には必ず本人確認(=番号確認+身元確認)が必要です。
これはマイナンバーが記載されている個人番号カード(番号確認+身元確認)や、通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)を併用することで行います。
年末調整書類の場合もこれは同じですが、扶養控除等申告書の提出の際の扶養親族の本人確認は、扶養者である従業員が行うこととされています。

 

2.事業者の監督責任
例えば扶養控除等申告書に扶養親族のマイナンバーを記入し、それを扶養者である従業員が通勤途中に紛失、マイナンバーが漏えいしたとします。
これによってもし扶養親族に不利益が発生しても、事業者は監督責任を問われません。
マイナンバー関連事務を委託業者に委託する時、事業者には委託先が適切にマイナンバーを取り扱っているかを監督する義務があります。

 

これと同じように「扶養控除等申告書に記載するマイナンバーを扶養親族から取得し、記載する」というマイナンバー関連事務を事業者が従業員に委託した、と考えるとマイナンバー漏えいの責任は事業者にあることになるのです。
しかし、マイナンバー制度上ではこの時の事業者と従業員の関係は「委託」には当たりません。したがって監督義務も生じない、と考えます。

 

3.マイナンバーの利用目的
マイナンバーを利用する際は必ず本人に対して利用目的を明示しておかなくてはいけません。
また明示した利用目的の範囲から逸脱しないようにシステムやルール面で相応の対策をとる必要もあります。

 

これは年末調整の書類でも同じで、例えば配偶者特別控除申告書に必要なマイナンバーを「年末調整のために利用する」と明示しているにもかかわらず、それを社会保険の手続きに利用するのはNGです。

 

ただし同じ書類のマイナンバーを「年末調整や社会保険の手続きに利用する」など複数の利用目的を明示することはできます。

 

4.マイナンバーの管理方法
事業者は取得した従業員のマイナンバーの適切な管理を義務付けられています。
もし漏えいさせたり、無くしてしまったり、一部を欠損させてしまうと、特定情報保護委員会から指導・助言、あるいは勧告・命令を受ける場合もあります。
そうならないためには先ほども書いたようにシステム・ルール作りをすることが重要で、担当者へのルールの周知徹底は必須。
もちろん年末調整も例外ではありません。

 

≪ まとめ ≫
年末調整に関連する4つの書類のうち、マイナンバー制度が導入されると3つにマイナンバーの記載が必要になります。
各書類の変更は小さなものですが、本人確認の方法やマイナンバーの管理方法などのルール作りが必要です。
マイナンバー制度導入はもうすぐ。社内での周知徹底を急ぎましょう。

 

≪ 税理士法人Right Hand Associatesでは・・・ ≫
上記の【注】にも記載を致しましたが、税理士法人Right Hand Associatesでは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書など、年末調整関係の書類にはマイナンバーは記載はせずに、別の様式にご記入をして頂く管理方法でルール作りを進めております。
今月中旬頃より、ご契約いただいているお客様へ詳しいご案内をする予定です!

 

また、他の税理士さん等にお願いをしている方については、それぞれ管理方法が異なるかと思います。
個々に各税理士さんにご確認下さいませ。

 

ご不明な点は、どうぞお気軽に税理士法人Right Hand Associatesまでお問い合わせください!

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