災害によるダメージを最小限に~税金を取り戻す方法
最近、豪雨や台風などの災害が多いですよね。
もし、災害を受けってしまった場合の申告はどうなるのかご紹介します。
1 災害により損失してしまった資産等
会社が保有している、商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
※損金とは・・・会計上の費用と法人税法上の費用は、必ずしも一致するとは、限りません。法人税の計算をする際、費用として認められる支出のことを言います。
① 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により又は損壊した場合の損失
② 損壊してしまった資産の取壊しや除去のための費用
③ 土砂その他の障害物の除去のための費用
2 資産の評価損
災害によって商品や材料が著しく損傷し、販売できない商品や使い物にならない材料は、棚卸資産の評価損として損金の額に算入することができます。
棚卸の評価損とは、決算時の棚卸資産(在庫)の評価額が、取得価格よりも下回った際に計上できる損失のことです。
なお、評価損は通常「売上原価」として計上しますが、災害によって著しく損傷した場合は「特別損失」として計上することができます。
これらを認められるためには、証明できる資料が必要です。詳しくは以下の通りです。
①災害等の様子が掲載された新聞記事
②災害によって損傷した商品の写真
③災害現場の状況報告書や災害に関する記述物等
④損害保険会社の評価に関する資料
3 復旧のために支出する費用
法人が災害により被害を受けた固定資産を被災資産といいます。
① 被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
二次災害を回避する等の目的で行われる補強工事等の費用も修繕費です。
② 法人が、被災資産の修繕ではなく、新規に資産を取得した場合
→その取得のために支出した金額が資産の取得価額となります。
③ 修繕が行われていなくても、被災から1年以内に修繕が行われる予定があれば、修繕見積額を「災害損失特別勘定」として損金にすることができます。
4 災害による損失金の繰越し
災害により被害を受けた資産の修繕等のために、災害のあった日から1年以内に支出する費用の適正な見積額は災害損失特別勘定に繰入れることで被災した事業年度の所得計算に算入できます!
法人の保有している棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係る欠損金額を『災害損失欠損金額』といいます。
損失が発生した事業年度が青色申告書を提出できない年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、事業年度から10年間にわたって繰り越し控除します。
※繰越損失とは・・・欠損金とは、財務会計上の赤字のことです。
事業年度の利益がマイナスになれば、それは欠損金が発生したといえます。
欠損金繰越控除とは、この欠損金が発生した翌年度以降、繰越期限が切れる9年間のうちに
利益がプラスになった場合、マイナスとプラスを相殺できるという制度です。
つまり、現在の赤字によって、将来の黒字を相殺できるということです。
欠損金繰越控除を適用させることによって、今年度に発生した赤字を翌年度以降に繰り越すことができ、
黒字の年の利益を相殺することによって課税所得を減らし、法人税など納税額を減らすことができます。
現在、平成30年4月1日より後に発生した欠損金のみ、10年間の期間で繰り越せます。
5 災害損失欠損金の繰戻しによる還付
災害があった日から1年以内に終了する事業年度、または半年以内に終了する中間期間で生じた欠損金額のうち、災害で生じた費用や損失を既に納付した法人税から還付が受けられる制度です。
ですが、この制度は青色申告書である確定申告書を提出する必要があります。
※白色申告の法人は災害による損失金については繰越控除はできますが繰戻しによる還付は受けることができません。
その事業年度開始日の1年以内(青色申告の法人は2年以内)に開始した事業年度に納付した法人税から還付が受けられます。
投稿日:2020/10/8
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