自社の強み弱みが分かる内部統制

公認会計士・税理士の植地亮太と申します。

2020年12月1日付で税理士法人Right Hand Associatesが設立されました。

11月と比べて何かが抜本的に変わっているという事は、現状ありません。

ただ有難いことに皆様からの御祝福をたくさん頂戴しました。皆様からの期待の高さを感じ、身が引き締まる今日この頃です。

弊法人のスタッフも電話応対など、最初はRight Hand Associatesと言うのに慣れておらず、不慣れな対応だったのですが、少しずつ慣れてきました。

今まで数十年個人事務所で運営してきた私共が、法人設立時から急に意識を変えるのは難しいです。

少しずつ少しずつ、法人の理念に沿うような形で変化し続けていきたいと考えております。

その変化の過程を楽しみながら、暖かく、時には厳しく見守って頂ければと思います。

 

 

《内部統制のご紹介》

今回は内部統制に焦点を絞って、簡単に解説できればと考えております。

みなさん、内部統制という言葉に関してどんなイメージをお持ちでしょうか。

上場企業が実施するものとか、自分の会社には必要ないとか、いまさらかと、様々な反応が想定されますが、いかがでしょうか。

十分な解説する為には、本1冊でも足りない話なので、本当に簡単にさわりだけを解説できればと思います。

 

まずは内部統制の定義を示します。

「内部統制とは企業目的が合理的に達成されていると合理的な保証を得る為に、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、・統制環境・リスクの評価と対応・統制活動・情報と伝達・モニタリング・ITへの対応の6つの基本的要素から構成される。」

企業目的は、以下の4つになります。

 

(1)業務の有効性・効率性

(2)財務報告の信頼性

(3)事業活動に係る法令等の遵守

(4)資産の保全

 

基本的要素に着目すると、簡単な説明とは程遠くなるので、(1)~(4)の企業目的に絞って見てください。

この中でまず何を気づいて頂きたいかというと、皆様が常日頃から、この企業目的を達成する為に活動しているという事です。

用語にすれば、難しく感じるところもあると思いますが、(1)~(4)を企業目的の一部として会社として活動している事は間違いないと思います。

会社運営に必ず(1)~(4)は必要であり、実施しているレベルの差はあるものの、全く何も実施していないことはあり得ません。

このように固苦しく定義は記載されていますが、実は皆様の身近な目的を達成する為に、内部統制は存在しています。

また、その内部統制を皆様自身が実施している事を理解して頂ければと思います。

 

 

あと、皆様に気づいて頂きたい点としては、(1)の業務の有効性・効率性です。

内部統制といえば、管理のイメージがとても強いです。しかし、業務の有効性・効率性を達成する事についても内部統制の目的と定義されています。

実際に経験した事例においても、システムを導入したのにも関わらず、従来の作業を繰り返しており、システムを入れたことにより削減できる工数が削減できていない事例もありました。

その場合、御指摘させて頂き、業務効率化が行われました。

このように内部統制は管理面含めた様々な視点から、会社の状況に関しての問いかけをしてくれます。

 

<問いかけの例>

・経営者は、企業内の個々の職能や活動単位に対して、適切な役割分担を定めていますか?

・経営者は、従業員等に職務の遂行に必要となる手段や訓練等を提供し、従業員等の能力を引き出すことを支援していますか?

・責任の割当てと権限の委任が従業員に対して明確になされていますか?

・業務を整備した段階から状況は変わっていませんか?(状況が変わったのに、必要でない作業を実施していませんか?)

・業務は整備されているものの、運用はしっかりと実施されていますか?(絵にかいた餅になっていませんか?)

・特定の人に業務が依存していませんか?もし特定の人が急に退職等でいなくなった場合、業務は回りますか?マニュアルは整備されていますか?

 

会社の規模によっては、内部統制の確認を毎年実施する事は、必要ありません。

ただし、数年に一度は、自社の内部統制の整備・運用度合いを確認してみることは大変有意義だと思います。今まで見えてこなかった自社の弱み(もしくは強み)が見えるのではないでしょうか。

少しでも内部統制という考え方が皆様の身近なものとなり、規模に応じた形で整備・運用することにより、皆様の会社運営に役立つものという事をご理解いただければ幸いです。

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