期間限定に弱いあなたへ 事業承継税制の10年限定措置とは??

平成30年税制改正のひとつ、事業承継税制の10年限定特例措置。
スイーツしかり税金しかり。なんでも期間限定に弱いのは人のさだめ。
要件は細かく複雑ですが、お問い合わせも多いため、今回は大まかなイメージをもって頂けるようご紹介してみたいと思います。
◆◆◆なんのための制度??◆◆
税金の心配をせずに事業を後継者に継承できるようにする、という主旨の制度です。
中小企業経営者の高齢化が進む今、スムーズな事業承継が急務。
会社を継ぎたいけれど、贈与税を払う現金もないし、リスクをおかすくらいなら事業をたたむ方がマシ・・・そんな状況に対する手当と言えます。
◆◆◆どんな改正??◆◆
中小企業株式の贈与・相続にかかる税金を猶予・免除する制度ですが、その対象が全株式の一部であったり、せっかく猶予を受けても雇用レベルを維持しなければならないなどの免除要件が厳しかったりと、ハードルの高い制度でした。
今回の措置では、贈与税・相続税ともに納税猶予は100%、つまり税金なしで事業承継することも可能となり、雇用レベルの維持等の免除要件も緩和されるというお得感が漂っています。
◆期間限定要件◆
1.H30年4月からH35年3月までに「特例承継計画」を提出する
2.H30年1月からH39年12月までに贈与・相続により自社株式を取得する
◆◆◆具体的に何をどうするの??◆◆◆
では実際の流れと主な要件をみていきましょう。
◆STEP1◆ まずは猶予してもらう
事前に都道府県から認定を受け、贈与税・相続税の申告を行います。
認定にあたり、会社には主に下記の要件があります。
(1) 非上場会社であり、関係会社に上場会社がいない
(2) 常時使用する従業員が1名以上である
(3) 資産保有型/資産運用型の会社ではない 他
先代経営者、後継者にも代表権や議決権、役員就任等の要件がありますが、贈与と相続でも要件が異なるため詳細は割愛します。
◆STEP2◆ 猶予期間中、届出を忘れない
原則5年間は毎年、都道府県への年次報告と税務署への継続届出を行い、その後は3年毎に継続届出を提出します。
ただし、猶予期間内に代表権がなくなったり、対象株式を譲渡したりと免除要件を満たさないことになった場合には、猶予されていた税金を納付することになるため、注意が必要です。
また、提出のなかった場合は免除前に特例が打ち切られてしまうので、気は抜けません。
◆STEP3◆ 免除してもらう
贈与の場合には主に先代の死亡時、相続の場合は主に次の後継者への事業承継時、または後継者の死亡時に免除届出を提出することで、晴れて猶予された税金が免除されます。
この期間限定にのって事業承継をやってのけようと考えるか、こりゃ気の長い話だと考えるかはあなた次第?
詳細な要件については、先週公開されたばかりの中小企業庁HPを参照ください。
中小企業庁 〜平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります〜
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180402shoukeizeisei.htm
また、実際には自社株式の評価額や他の相続財産との兼ね合いもありますので、ご相談くださいませ。

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