法定保存文書の保存期間をマスターしましょう! 〜主な法定保存文書と保存年限〜

企業が取り扱う文書の中には、法令で保存を義務づけられているものが多くあります。
これらの文書は法定保存文書と呼ばれ、所定の期間、適切に文書を保存しておく必要があるため、法定保存文書の種類やその保存期間をしっかりと把握しておくことが重要です。
 
 
===永久保存が望ましいもの===
 
【総務・庶務関係】
 
(1)定款、株主名簿、新株予約権原簿、端株原簿、社債原簿、株券喪失登録簿
(2)登記済証(権利証)など登記・訴訟関係書類
(3)官公署への提出文書、官公署からの許可書・認可書・通達などで重要な書類
(4)特許、実用新案、意匠、商標など知的所有権に関する特許料・登録料納付受領書や特許・登録証などの関係書類
(5)社規・社則およびこれに類する通達文書
(6)効力の永続する契約に関する文書
(7)重要な権利や財産の得喪・保全・解除および変更に関する文書
(8)社報、社内報、重要刊行物
(9)製品の開発・設計に関する重要な文書
 
 
 
【人事・労務関係】
 
(10)重要な人事に関する文書
(11)労働組合との協定書
 
 *いずれも法令により永久保存を義務づけられたものではないが、文書の性格上、永久保存が必要(適当)と考えられるものである
 
 
 
 
 
===保存期間10年===
 
【総務・庶務関係】
 
(1)株主総会議事録
(2)取締役会議事録
(3)監査役会議事録
(4)監査等委員会議事録
(5)指名委員会等議事録
(6)重要会議記録
(7)満期または解約となった契約書
(8)製品の製造・加工・出荷・販売の記録
(9)計算書類および附属明細書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)
(10)会計帳簿および事業に関する重要書類(総勘定元帳、各種補助簿、株式申込簿、株式台帳、配当簿など)
 
【経理・税務関係】
 
(9)計算書類および附属明細書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)
(10)会計帳簿および事業に関する重要書類
(総勘定元帳、各種補助簿、株式申込簿、株式台帳、配当簿など)
 
 
 
===保存期間7年===
 
【経理・税務関係】
 
(1)取引に関する帳簿(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳など)
(2)決算に関して作成された書類(棚卸表など)
(3)現金の収受・払出し、預貯金の預入れ・引出しに際して作成された取引証憑書類(領収書、預金通帳、借用証、小切手・手形控、振込通知書など)
(4)有価証券の取引に際して作成された証憑書類(有価証券受渡計算書、有価証券預り証、売買報告書、社債申込書など)
(5)取引証憑書類(請求書、注文請書、契約書、見積書、仕入伝票など)
(6)電子取引の取引情報に係る電磁的記録(注文書、契約書、送り状、領収書、見積書など)
(7)資産の譲渡等、課税仕入、課税貨物の保税地域からの引取りに関する帳簿
(8)課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書等(5年経過後は帳簿または請求書等のいずれかを保存)
(9)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書
(10)給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
(11)源泉徴収簿(賃金台帳)
 
 
 
===保存期間5年===
 
【総務・庶務関係】
 
(1)事業報告(本店備え置き分。支店備え置き分はその謄本を3年保存)
(2)有価証券届出書・有価証券報告書及び添付書類・訂正届出書(報告)の写し
(3)産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し
(4)産業廃棄物処理の委託契約書
(5)契約期限を伴う覚書、念書、協定書などの文書
(6)重要な内容の受信・発信文書
 
【人事・労務関係】
(7)退職等に関する通知書
(8)監査報告・会計監査報告
 
 
===保存期間4年===
 
【人事・労務関係】
 
(1)雇用保険の被保険者に関する書類
(2)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿
 
 
===保存期間3年===
 
【総務・庶務関係】
 
(1)四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し
(2)官公署関係の簡易な認可・出願などの文書
(3)一般の社内会議記録
(4)社内規程・通報の改廃に関する書類
(5)軽易な契約関係書類
(6)文書の受・発信簿
(7)業務日報
(8)参照の必要性のある往復文書
(9)什器・備品台帳
 
【人事・労務関係】
 
(10)賃金台帳
(11)労働者名簿、社員出勤簿、雇入れ・解雇・退職に関する書類
(12)災害補償に関する書類
(13)賃金その他労働関係の重要書類
(14)労災保険に関する書類
(15)労働保険の徴収・納付等の関係書類
(16)労働安全衛生法・同施行令・労働安全衛生規則に規定される機械(プレス機械、遠心機械等)について実施する定期自主検査の記録
(17)家内労働者帳簿
(18)派遣元管理台帳・派遣先管理台帳
 
 
===保存期間2年===
 
【人事・労務関係】
 
(1)雇用保険に関する書類(雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任・解任届など
(2)健康保険・厚生年金保険に関する書類(被保険者資格取得・資格喪失等確認通知書、標準報酬決定通知書、同改定通知書など)
(3)家内労働手帳
 
 
業種によっては、その他の法令により保存が義務づけられている文書もあることから、自社の業種も考慮しながら、法定保存文書の種類や保存期間について改めて確認することが大切です。
 

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