消費税増税・・・ではなく消費税の経理方式

消費税の増税まであと3か月足らずですね。。
 
ご存知の通り税率が現行の8%から10%へ引き上げられます。
 
ただし、飲食料品などについては8%のままだったりします。
 
今回はそんな【税率引き上げ】についてではなく、消費税の経理方式についてです。
 
 
皆さまの会社の消費税の経理方式について意識されたことはございますでしょうか。
 
消費税の経理方式には【税込経理】と【税抜経理】があります。
 
読んで字のごとく前者は税込価額で、後者は税抜価額で会計処理を行います。
 
それだけのことなのですが、実は大きな違いがあるのです。
 
また、これらは会社が自由に選択することができます。(免税事業者を除く)
 
個人的には【税抜経理】がおすすめです。なぜか。
 
それぞれのメリットを見ていきたいと思います。
 
〇【税抜経理】のメリット
1.交際費をより費用にしやすくなる
 
中小法人の場合ですが、交際費は年間800万円まで費用にすることができます。(一部例外あり)
 
例えば交際費に税込860万円使ったとします。
 
【税抜経理】を採用していると、税抜で約796万円となり全額費用とできます。
【税込経理】を採用していると、税込で800万円を超えた60万円は費用になりません。
会社から無駄に60万円が出ていくだけです。
 
 
2.少額資産を全額費用にしやすくなる(中小企業者等の場合)
 
決算間近になると、節税として30万未満のパソコンや備品などの購入を勧められたことはございませんか?
 
それは30万円未満の少額減価償却資産なら一括で費用にすることができるからなのです。
 
(本来は耐用年数に応じで毎年減価償却費として少しずつ費用にしていきます。)
 
この30万円未満の判定も交際費と考え方は同じです。
 
【税抜経理】を採用していると、税込32万円の備品は一括で全額費用とできます
【税込経理】を採用していると、税込32万円の備品は減価償却の手続が必要となります。
 
3.おおよその納税額が一目でわかる
 
消費税の納税額は簡単に言えば、売上時に預かった消費税から仕入時に支払った消費税を控除して計算します。
 
【税抜経理】を採用していると、試算表に【仮受消費税】と【仮払消費税】という勘定科目がでてきます。
 
試算表にある【仮受消費税】から【仮払消費税】をマイナスして頂ければおおよその納税額の予測が可能です。
 
 
 
まだまだ、【税抜経理】のメリットはあるのですが、このあたりにしておきます。。
 
なぜなら・・・【税込経理】のメリ・・ットが・・・
 
〇【税込経理】のメリット
1.投資促進税制などの特別償却・税額控除が大きくなる
 
詳細は控えますが、ある一定の資産を購入し、一定の条件を満たした場合
 
特別償却又は税額控除を受けることができます。
 
※特別償却:通常の減価償却費に上乗せして償却費を計上できる
※税額控除:税金を直接減らす(控除する)こと
 
特別償却については最終的には【税込経理】でも【税抜経理】でも実質的な違いは生じません。
 
ただ、税額控除については【税込経理】の方が有利となります。
 
例)税込540万円の対象資産を購入した場合で、540万円の7%を税額控除することができる場合
 
【税込経理】540万×7%=378,000円が税額控除
【税抜経理】500万×7%=350,000円が税額控除
 
このケースでは28,000円【税込経理】が有利となりました。インパクトは弱いですかね。。
 
増税になれば上記の差額は大きくなってきます。
 
2.思いつきません。。。
 
昔は税込経理の方が処理が簡単と言われておりましたが、現在は会計システムが自動で処理してくれますし。。。
 
 
今一度会社の消費税の経理方式を確認してみてはいかがでしょうか。
 
※消費税の免税事業者は【税込経理】が強制適用です。※
 
 
<<編集後記>>
 
いきなり消費税増税軽減税率クイズ
 
Q1.ミネラルウォーターの販売は8%、10%?
 
Q2.ウォーターサーバのレンタル代は8%、10%?
 
Q3.水道水は(Q1に該当するものを除く)8%、10%?
 
Q4.ビールは8%、10%?
 
Q5.ノンアルコールビールは8%、10%?
 
Q6.週1回発行の定期購読新聞は8%、10%?
 
Q7.毎日発行する新聞の電子版は8%、10%?
 
Q8.ホテルのルームサービスは8%、10%?
 
Q9.ホテルの客室にある冷蔵庫内のペットボトル飲料は8%、10%?
 
Q10.ペットフードは8%、10%?
 
 
こんなことを日々考えております。
 
答え
 
1.8% 2.10%(ウォーターサーバのお水代は8%) 3.10%
4.10% 5.8%(アルコール度数1%未満の場合)外食の場合は10%
6.10%(定期購読契約された、週2回以上発行が8%の条件です。)
7.10%(8%となるのは「新聞の譲渡」とされています。)
8.10%(軽減税率の対象外となる「食事の提供」に該当するため。)
9.8%(単に飲食料品を販売するものであるため。アルコールを除く。)
10.10%
参考:改正法附則34条・軽減税率制度に関する取扱通達
消費税の軽減税率制度に関するQ&A

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