「令和3年分確定申告」気になる変更点!!
今回は、令和3年分の確定申告の変更点をいくつかピックアップいたします。
◎住宅借入金等特別控除の特例の延長◎
住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築や取得または増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、一定の要件を満たした場合、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の1%(上限額あり)を所得税から控除できるものです。
【改正前】
通常は10年の控除期間ですが、令和元年に消費税が10%に引き上げられたことにより、令和2年12月31日までの入居で控除期間を13年に延長するという特例措置が設けられました。さらに、コロナ禍での特例として入居期限が令和3年12月31日まで延長になっています。
【改正後】
上記の控除期間が13年に延長されている分について、要件の緩和があり、住宅の取得等が特別特例取得に該当する場合、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの入居分まで適用になります。
「特別特例取得」とは、住宅の取得等の対価の額または費用の額に含まれる消費税額等が、10%の税率により課されるべき住宅の取得等をいいます。
◎子育て支援に係る助成金等が非課税に◎
令和3年税制改正により所得税・住民税ともに、ベビーシッター等の子育て費用のために受けた助成は、所得税・住民税の計算上非課税となります。
※上記の助成と一体として行われる助成も含まれます。
(例:生活援助、家事支援、保育施設等での副食費及び交通費等)
◎医療費控除の添付書類の簡略化◎
医療保険者が発行する医療費のお知らせ(医療費通知)に代えて、次の書類を添付することができるようになりました。
e-Taxを利用している場合には、「医療費のお知らせ」等を税務署へ郵送する必要はなくなりますが、税務署から提示を求められることもあるため、5年間は保管する必要があります。
◎寄付金控除(ふるさと納税)の添付書類の簡略化◎
ふるさと納税をして寄付金控除を受ける際には、寄付金を行った市区町村が発行する受領証の添付が必要でしたが、「さとふる」や「ふるなび」などの指定業者が発行する「寄付金控除に関する証明書」(年間の寄付金額が記載)の添付でも認められるようになりました。
◎脱ハンコ!押印不要に◎
これまで押印が必要だった確定申告書や青色決算書などの書類において、押印が不要になりました。
◎還付申告義務の見直し◎
これまで、その年の所得税の額が配当控除の額を超える場合については、確定申告をする必要がありました。しかし、今回から所得税の額が配当控除の額を超える場合でも、以下に該当する控除しきれなかった還付申告について申告義務がなくなりました。
還付申告の義務がなくなったため、対象となる年の翌年1月1日から5年以内に申告をすれば還付を受けることが出来ます。
ただし、ここで注意が必要なのは、青色申告特別控除の適用を受ける場合です。この場合は、法定申告期限内での提出が必要になります。過ぎてしまうと65万/55万控除の適用はなくなり、10万円控除しか受けられません。
ここからは変更点ではございませんが、コロナ関連の支援金や給付金が課税or非課税か、受け取った助成金や給付金の種類によって違いますので、ぜひ参考にしてみてください。
◎新型コロナウィルス感染症関連の支援金◎
国や自治体から給付される支援金については、課税されるものと非課税扱いになるものに分けられます。
【非課税対象】
・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(雇用保険臨時特例法7条)
・新型コロナウイルス感染症対応休業給付金(雇用保険臨時特例法7条)
・特別定額給付金 (新型コロナ税特法4条1号)
・子育て世帯への臨時特別給付金 (新型コロナ税特法4条2号)
・学生支援緊急給付金
・低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
・新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
・企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
・東京都のベビーシッター利用支援事業の特例措置における助成学生支援緊急給付金
【課税対象】
<事業所得等>に区分されるもの・・・事業に関連して支給される助成金
・雇用調整助成金
・持続化給付金(消費税は不課税扱い)
・東京都の感染拡大防止協力金
・小学校休業等対応助成金
・家賃支援給付金
・中小法人や個人事業者のための一時支援金、月次支援金
・農林漁業者への経営継続補助金
・医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業における補助金
・新型コロナウィルス感染症特別利子補給制度に係る利子補給金
<一時所得>に区分されるもの・・・事業に関連しない助成金で臨時的に一定の所得水準以下の方に対して一時に支給される助成金
・持続化給付金(給与所得者向け)
・Go Toトラベル事業における給付金
・Go Toイート事業における給付金
・Go Toイベント事業における給付金
<雑所得>に区分されるもの・・・一般的な給与所得者については、給与所得以外の所得が20万円以下である場合の確定申告は不要になります。
上記に該当しない助成金
・持続化給付金(雑所得者向け)
以上、何か気になる変更点はございましたでしょうか。
令和元年分、2年分の確定申告については、コロナウィルスの影響により申告期限が延長となりましたが、令和3年分についても、令和4年4月15日までの間、簡易な方法により申告・納付期限の個別延長をすると国税庁より発表されました。
詳しくは、国税庁のHPよりご確認下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/01.htm
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ぜひ、参考にしていただき、早めの申告をしたいですね。
投稿日:2022/3/10
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