退職金の支給は、支払いから納付までがセットですよ~!
会社の役員や従業員が定年退職やそれぞれの事情で退職することになった場合に、退職金を支給することがあるかと思います。
特に中小企業の場合は従業員との距離感も近いですし、これまでの功績を踏まえて退職金を支払ってあげたい!と思う経営者の方は多いのではないでしょうか。
そんな退職金等を支給する場合には、日頃の給料と同じように源泉所得税を控除し、会社はその控除した源泉所得税を税務署へ納付する必要があります。
そこで、今回は退職金等を支払った場合の源泉徴収の仕方をご紹介します。
まず、ここでいう退職金等とは、退職することに基づいて支払われるもの全てとなり、もし退職金以外に功労金などを支給する場合はそれも退職金等に含める必要があります。
◆源泉徴収の仕方は2通り。
1.「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらう場合
退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらう場合は、次のように退職所得を計算します。
課税対象となる退職所得 =(退職金の総額 - 退職所得控除額)× 1/2 ・・・(1)
ここで、退職所得控除額は勤続年数によって異なります。
勤続年数が20年以下の場合は、
退職所得控除額は40万円×勤続年数 (80万円未満の場合は、80万円)
勤続年数が20年超の場合は、
退職所得控除額は800万円+70万円×(勤続年数 - 20年)
となります。
(勤続年数が1年に満たない端数がある場合は1年に切り上げます。)
勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を基に上記の式(1)で退職所得を計算します。
ただし、役員の方で役員としての勤続年数が5年以下の場合(特定役員といいます)
その役員勤続年数に対する退職金等の支払いについては上記の(1)のように1/2にすることができず、
課税対象となる退職所得 = 退職金の総額 - 退職所得控除額
となりますのでご注意ください!
最後は算出した退職所得を基に、下のように源泉徴収税額を計算します。
退職所得の源泉徴収税額 =(退職所得金額 A × 所得税率 B - 控除額 C)×1.021
退職所得金額 A 所得税率 B 控除額 C
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円
2.退職する人が「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合
この場合には、退職金の総額に20.42%の税率を乗じて計算した額を源泉徴収します。
そして会社はこれらの源泉所得税を原則として、翌月の10日までに納付しなければなりません。
また、退職者から提出された「退職所得の受給に関する申告書」は、会社で保管する必要があります。
給料や賞与などと同じように、退職金も会社が源泉所得税を徴収して納付しなければいけません。
納付もれがないようにご注意くださいね!
また、源泉所得税とあわせて住民税も控除の上、納付する必要がありますのでそちらもお忘れなく!!
ちなみに、住民税は(1)で計算した退職所得金額に対して都民税は4%、市区町村民税は6%となります。(東京都の場合)
投稿日:2019/8/2
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